2010年 終戦65周年(社)福岡県人権研究所 新刊
二又トンネル爆発体験
絵本「三発目の“原爆”」
文と絵:佐々木盛弘
B5カラー / 32P / 頒価 800円+税
著者の佐々木盛弘さんは元小学校教師で、添田町の教育長を務められた。
平和が戻りかけた終戦直後の昭和20年11月12日、添田町落合の二又トンネルにあった日本陸軍の火薬庫を、米軍が爆破処理しようとしたが、残留火薬量を間違え、山が二つに裂けるほどの大爆発を起こし、死者147名、負傷者149名を出す大惨事となった。
当時小学校五年生であった佐々木さんは、トンネルのすぐ近くに住んでおり、この事故で父と姉を亡くし、自らも重傷を負った。事故から50年を経て、佐々木さんが当時を回想しながら、目撃した事故の惨状と、自分をかばって亡くなった父親との愛情に満ちた最期の瞬間を、子どもの目線で描く。「平和」「命」「幸せ」とは何か、を問いかける作品となっている。
この作品は平成7(1995)年、佐々木さんのお父様の50回忌記念に制作された私家版に基づき、新たな書き下ろし原画とともに、人権絵本として研究所から10月に刊行された。ぜひご一読いただきたい。